よく頑張った!MS-10

「デーリー東北」9月19日付の中で、本館のプラネタリウムの更新についての記事が掲載されました。最新鋭の機器による投影がとても楽しみであり、大変喜ばしいことであります。
しかしながら、新しいものが入るということは、同時に長年にわたり親しまれてきた現機とのお別れをも意味することになります。我々と同様に淋しさを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、本館のプラネタリウムの現在の様子を、何回かに分けてご紹介していきます。
まずは名機と呼ばれた光学式MS-10をズームアップしてみたいと思います。
IMG_1283ミノルタ製で昭和55年に設置されました。懐かしいロゴです。IMG_1272恒星を投影させる部分です。愛嬌のあるフォルムです。IMG_1281ここで太陽と月の日周を映します。IMG_1280

これによって星座の絵を映し出します。調整が大変なんです。(笑)

 

残念ながら現機での投影は10月下旬までとなっています。白熱電球を用いた温かみのある投影を是非ご覧いただきたいと思います。

電離水素の赤い光で輝く星雲

久しぶりの投稿です。
写真は夏の代表的な星座の「はくちょう座」と「いて座」にある散光星雲で、
それぞれ「北アメリカ星雲」、「干潟星雲&三裂星雲」と言うニックネームが
ついています。
「北アメリカ星雲」は本当に北アメリカ大陸の様な形をしていますね。
これらは何れも、電離した水素に再び電子が捕えられる際に発するHα線という
赤い光で輝いているのが特徴です。
通常のデジタルカメラでは、この赤い光の感度が低く、良く写りませんが、
最近科学館で導入した天体用カメラは、この写真の様に赤く輝く星雲の姿を
見事に浮かび上がらせてくれました。
北アメリカ星雲s

M8-20s

三日月と木星・土星の接近

2020年12月17日の夕方、三日月と木星・土星の接近が見られました。
20201217月木星土星
この写真の見どころは次の3つです。
①三日月なのに丸く見え、これを地球照(ちきゅうしょう)と言い、
地球で反射された太陽の光に月の欠けている部分が照らされ、
うっすらと見えています。
②この日、木星と土星が、ほぼ月の直径の距離まで近づいて見えましたが、
21日には月の1/5の距離まで近づきます。
③木星本体の周りに小さな星が4個見えていますが、これは木星の衛星で、
4個まとめてガリレオ衛星と呼ばれています。

12月21日には、月は離れてしまいますが、木星と土星は更に近付き、
月の直径の1/5程まで接近します。ぱっと見では一つの星に見えるかも!
勿論これは、実際に木星と土星の距離が近付く訳ではなく、地球から
見てほぼ同じ方向に2惑星が並ぶ為に近付いて見えるのです。
木星が-2等星、土星が0等星として、ひとつに見えると-2.16等星の
明るさになりますが、肉眼ではその差は分からないと思います。

12月5日からプラネタリウム新番組

12月~2月はプラネタリウム冬番組投影期間です。
今回は12月5日から2番組を投影する予定でしたが、プラネタリウムに
トラブルが発生、残念ながらまずは1番組でスタートします。
番組製作そのものは、スタッフが頑張って間に合わせたのですが、
ハード的なトラブルにより2番組の切り替えに支障が発生しました。
12月第2週末の2番組投影を目指します。
プラネ2020冬

まずは夏に投影し人気だった「忍たま乱太郎の宇宙大冒険
withコズミックフロント☆NEXTブラックホールで危機一髪!?の段~」を
「冬の星空解説」付きでスタートです。
上の「だるまが、星と宇宙のクイズ」の投影時間も「忍たま乱太郎の宇宙大冒険~」を投影します。

大きな太陽黒点が出ています。

太陽の表面には黒点・・・その名の通り黒い点が現れる事があり、
活動が活発だと沢山あらわれます。
太陽の活動はおよそ11年の周期で活発になったり弱まったりする
と言われていて、最近では2019年12月が極小だった様で、これを
境に第25太陽活動周期に入ったと言われています。
ここしばらく、ほとんど黒点の見られない期間が続いていましたが
この肉眼でも見える位の大きな黒点が現れた事か、太陽活動が活発
になって来た証拠なのでしょうか。
継続して観察して行きたいと思います。

太陽_20201201s

太陽黒点_20201201Trim
黒点と言っても全体が真っ黒ではなく、周囲がうす暗くなっていて、
この部分は「半暗部」と呼ばれています。
もっとも黒点とは言っても、周囲の光球の温度6000度に対して4000度と
低い為に黒く写っているだけです。因みに半暗部は5500度です。